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Chapter158:あいつは目が違う。

2018/ 8/1 Wednesday

気づけば4ヶ月ぶりの更新。
暑中見舞いということで、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
こんにちは濱田真和です。

先日、僕より10、20年上の監督、カメラマンの方々と話していた時、
「最近の若い子は映画を観ない」という話になった。

「最近の若い子は〜」なんていうと老害になってしまう恐れもあるし、
多分まだ僕は「最近の若い子」と老害の間な気もするのでなんとも言えないのだが。

でもこれは、正直僕も感じている事柄だったので、
(以前にもこんな事を書いた気もするし)
その日はこの話題で先輩方と大きく盛り上がった。

結論を言うと、映画に限らず、
『エンタメ(娯楽)の力が、昔と違って弱まった』ということなのだろう、
とその日は落ち着いた。

家で映画もドラマも観れて音楽も聴けて、
YoutubeでMVが簡単に観れて、

『身近になった』と言えばそういうことなのだが、
『当たり前になった』と言えば、そういうことなのだ。

先輩方に比べると僕なんか若輩者だが、それでもまだ、
映画は特別なものだし、だから僕はたった一本の映画に人生を変えられた。

これは映画や音楽だけに限った話ではなく、
ファッションでも雑誌でもアートでも、
総称してエンタメ(娯楽)のほとんどがそうなのだと思う。
当たり前にありすぎて、追求する力が失われているんだろう。

そもそもなんでこんな話題になったかというと、
その日その場所に、20代前半の監督の新人アシスタントの子がいて。
その子が全く映画を観ないらしく。
聞けば、あの映画も、あの監督の作品も、何も観た事がないというところからはじまった。

例えば僕で言うと、先述の子と同年代・同業の子達に、
「オススメの映画を教えてください」と聞かれることがある。

まずはその人の好みや、今までどれくらい観て来ているかなどを聞いて、
その人に合いそうな作品を勧める。
と言っても基本的には、誰もが知っていて損はない、
いわゆる”名作”と呼ばれる作品からチョイスするようにしている。

それは、本当に知っていて損はないと思うからだ。
しかし、これを教えて、実際に観た人がいた試しがない。正直、教え甲斐がない。
(※熟練者にはそれなりの作品を勧めるし、
僕も「最近面白いのあった?」と聞き返したりもする。
これはそうじゃない人たちの話だ)

特に同じ業界にいる、「これから」の人たちが、
映画を観ない、という現状を危うく感じる。時代のせいにはしたくない。

知らないのは罪ではない。
知ろうとしないことが罪なのだ。

勿論、名作の中にも人それぞれ好き嫌いはあるだろう。
でも多分、行動を起こさない人たちや一定量の知識を持っていない人たちは、
まだ自分の「好き嫌い」を判断するのも早過ぎる。

そんなこと言ったら、「お前はどんだけ観てるんだ」
とブーメランが返ってきそうだけど・・・

僕もまだまだ本当に知らないことだらけだけど。だけど!!!
少なくとも、「まだまだ知らないことだらけ」という危機感にいつも駆られている。

その日の先輩方の話でも結局、
「自分でその危機感に気づかない限り、観ないよね」というところに落ち着いた。

そうなんだよな。
結局は自分で気づかないと、僕らの言う事もただの老害になってしまう。
だから、そこから教えることもやめてしまう。悲しいけれど。

しかし、この考え自体、もしかしたら本当にただの老害なのかもしれない。
これからの時代は、知らなくてもいいかもしれない。
それを僕達が、受け止めなければいけないのかもしれない。
そんなジェネレーションギャップをよく感じるこの頃です。

でも、そしたら、
この世界の魅力ってなんなんだろう、と思ってしまいます。
特別な作品をつくりたくて、ここにいるのに。
目的が違うのかな。

でも、その日の最後は、
「まだ知らないってことは、これからまだ、すごい数の名作に出会えるってことだよ!」
「羨ましいなぁ」
「これから、いくらでも人生が変わる可能性があるよね」
っていう会話で終わった。
やっぱり、映画はそうでないと。
そんなことを気づかせてくれる、一本に出逢ってもらえるといいな。

ちょっと話は違うのかもしれないけど、
タイトルの「あいつは目が違う。」は、
昔バイト先で、酔っ払いのオヤジに言われた一言。
僕と比較して、とある人の「目がヤバい」と言われた。
「やる奴はやってるから、目が違うから、わかる」と。

当時は「けっ! うるせーやい!」と、心の中で中指を立てていたけど、
今ならすっごくわかる気がするんです。すみませんでした。

本を大量に読めば、目が変わる、と言われたこともあった。

僕の目は、あの頃とどれだけ変わっているのだろう。
映画を沢山観たら、目も変わるし、人生すらも変わると思うんですよ。

Superendroller 濱田真和