ふくしまオーガニックコットンと、ぼくたち。
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はじまりは僕が Superendrollerを立ち上げた機に、
SuperendrollerのTシャツを作る為に、ボディとなる生地を探していました。
ネットサーフィンで。
その時に知ったのが、
「ふくしまオーガニックコットン」でした。
僕は、彼等の活動や背景を調べるうちに、
その活動に心動かされたのか、
いてもたってもいられなくなって、飛び出した。2014年10月17日。
そして、今、これを書いているのが2016年5月20日。
はじめは一人で行っていたいわきにも、
今はいのうえあい、光根恭平、熊谷弥香の4人で伺って、
メンバーもいわきを好きになって、
少しずつだけど、まだ関わらせてもらってます。
濱田真和

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ーふくしまオーガニックコットンとはー

Superendrollerが関わらせて頂いているのは、福島県いわき市にある、
「いわきおてんとSUN企業組合」。
福島県は、2011年・東日本大震災による複合的な災害により、
風評被害から生産者が農業を断念するケースが多くみられました。
また、農家の後継者不足などにより、遊休農地・耕作放棄地は年々増加し続けました。
そこで、2012年春、
ふくしまオーガニックコットンプロジェクトははじまったそうです。
食用ではなく、塩害にも強い綿を有機栽培で育て、
収穫されるコットンを製品化・販売する一連の取り組みで、
地域に活気と仕事を生み出すことを目的として、
福島から新しい農業と繊維産業をつくりたい、という思いだそうです。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

緑溢れるこの町で育てられるふくしまオーガニックコットンは、
日本の在来種である茶色の「和綿」。備中茶綿という茶色い綿です。

日本におけるコットン栽培は、明治時代中頃までは自給率100%でしたが、
現在はほぼ0%で、ほとんどの和綿はすでに絶滅してしまったそうです。

しかし、
在来種は、品種としての特性が親から子、子から孫へと保たれます。
ふくしまオーガニックコットンを栽培して、土を汚さず、
世代を超えて種として存続させていく。
それが、
震災以降の福島で、
循環型の社会を目指すいわきおてんとSUN企業組合の理念だそうです。
僕は、不謹慎かもしれませんが、それを、とてもかっこいいことだと思いました。

http://www.iwaki-otentosun.jp/cotton/

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ぼくたちの旅、関わりの記録
2014年10月17日
はじめていわきを一人で訪れた。
先述の通り、”特別なTシャツをつくる”という事が目的ではあったのだけど、
「いわきおてんとSUN企業組合」の事務所に着いて、話を聞いていた頃には、
もうTシャツのことは後回しになっていた。

というのも、
この時僕ははじめて被災地を訪れ、
まだ全く復興の行き届いていない世界を目の当たりにした。
連れて行ってもらったいわきから少し離れた富岡町、富岡駅、その周り。
津波の被害がほとんどそのままに残っていたあの頃、
カメラを向ける事は勿論、言葉を発する事もできなくて、
感情を奪われたことを今も思い出す。
2016年5月11日、この富岡駅の周りは、かなり随分、綺麗さっぱり、何もなくなっていた。

そんな背景を見て、
それでもつくられる、ふくしまオーガニックコットン。
「俺達にはこれしかない」って言っていた、その言葉の重みを、強く強く受け取った。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

一ヶ月後、2014年11月、
僕は出直して、また綿の収穫に、福島県いわき市を訪れた。
土を耕して種を蒔き、芽がでて、
夏は雑草を抜いて世話を焼いて、
ちょうど11月~12月が綿の収穫時期。
綿実が出来て、

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綿がはじけて、

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そして、綿が収穫されます。
この、収穫された綿たちでつくられたTシャツが着れたらどれだけ幸せだろうって、
僕はこの感動を東京に持ち帰って、
改めて、ふくしまオーガニックコットンで、Tシャツをつくろうと思いました。

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これが、出来たTシャツ。
これをつくって、少しずつ、伝えていく作業をしていこうって、
僕の中で変化が生まれました。
作品を通して、お芝居を通して、だけではなく。
そうしてる内に、メンバーも増えて、
僕は、3人にこのことを話した。
そしたら3人は、
当たり前の様に「行く行く」って言って、
それから、4人でいわきを訪れる様になった。OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA
2015年11月、4人で綿の収穫をした時。草刈りもした。
富岡の町にも連れて行った。
皆、黙ってた。すごく、黙っていた。

この旅では、収穫や畑作業もだけど、
収穫された綿が、どうやって、どんな風に糸になっていくか、その工程を教えてもらった。
Tシャツをつくってしまったもんだから、
この自分が収穫した綿が、どんな経緯を経て、糸になるのか、知りたくなった。

簡単なワークショップみたいな感じで、
手作業で綿を、糸に紡いでいった。
綿くり、綿うち、カード、がら紡機そして、糸に。

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こうして、収穫された綿が、糸になる、ってことを、知りました。

そして、この綿くりという作業で、
綿と種に分けられるのだけど、その種は、また、
春に植えられ、新たな芽を出していく。ってことを、知りました。
オーガニックコットンであることの強さを、知りました。


そして2016年5月11日、
はじめて収穫以外の時期にいわきを4人で訪れました。
今回は土を耕して、

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くわとマルチで準備をして、

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種を蒔いて、

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芽が出て、

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夏に雑草を抜いて世話を焼いて、
また、綿が収穫され、糸になっていく。

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これからの、ぼくたち
こうやって、
2年くらい少しずつ関わって、やっと少し、わかってきたことがある。
でも、僕達がやってることなんて本当に、少し、だ。
毎日、草を刈って、雑草を抜いて、綿の成長を見届けられるわけではない。
そんな僕でも、少し、わかってきた。そんな強さに、いわきに行くと触れられる。
よく、『何しに行ってるの?』って聞かれるんだけど。
僕はただ、知ってしまったから。

かっこいい人たちがいて、
かっこいい仕事がそこにあって、生き様があって、
そんなかっこよさとか強さに触れにいっている、
っていうのが、一番の答えかもしれない。
もらってばっかりで、情けなくもなるけれど。

僕は俳優で、脚本も書いて、演出もして、
こないだも熊本・大分を中心に九州で地震があって、
多分僕だけじゃなくて、
作品をつくるような人は、
こんな状況で作品をつくり続けるべきか、とか一度は悩んだと思うし、
結果そこを乗り越えてつくっても、もう、
震災を無視してつくることは出来なくなっている。と思う。
僕はそうだ。

でも、
それでもつくっていくんだから、それならやっぱり、
ふくしまオーガニックコットンみたいな強さに出逢ってしまったんだから、
そういう強さを、描いていきたいなって思うし、
そういう人たちのことを知って欲しいなって、届けばいいなって、思う。
だから、
僕が関わる事で、
少しでも、まずは彼等のことを知ってもらえたりしたら、
彼等の活動や製品が、
少しでも、人の手に渡ったりしたら、嬉しいです。って思ってます。

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僕達は僕達に出来る事を。
これからもまた、旅の記録を増やしていきたいです。
読んでくださって、ありがとうございます。

濱田真和
いのうえあい
光根恭平
熊谷弥香
以上、Superendroller